札幌で,道内でしか飲めない(例外的に,新宿三丁目・草枕でも可能)サッポロクラシックを飲んでいますと,幸せな気分になりました.
これは,多分,旅人気分によるものかもしれませんが,札幌に行くといつもそうなのですから,間違いはなさそうです.

旅の途中,日常から解放され,自由にふるまえるというのは実に爽快なものです.こういう時の酒というのは,いつもに増して,美味さが発揮されます.

歳を重ねるうちに,身の自由を阻止するしがらみが大きくなっていくのはなぜでしょうか?保身的になっていく精神,無理が利かなくなる衰えていくばかりの肉体.
仕方がないとは思っていても,なんとかならないかとあがいてしまいます.

だって,毎日,旅人気分で生きられたなら,一分一秒という時間が有意義なものになっていこうというものですから.

自分自身が,安定を求めるタイプの人間ではないと確信し,流浪の人生へと足を踏み入れることになったのはいつのことでしたか?

それは,32歳の時.テキサスに行ったときのこと.

ホテルで,アメリカの青年に,「後で車で迎えに来てくれ」と頼んだはいいのですが,チップをケチったのが原因なのか迎えに来ませんでした.
後で,「なぜ迎えに来なかったのか?」と問いただしたら,何食わぬ顔で「忘れていた!」と言い放ったので,驚いたのですが,ここで,やはり文化が違う,世界は広い・・・そう思いました.

でも,青年が来なかったということが嫌だった訳ではなかったのです.逆に自分の考えを貫く姿にあこがれみたいなものを感じる自分がいたのです.

話は前後しますが,車が来ないので,ホテルまで歩くことにしました.でも,そこはテキサスの荒野.歩くと言っても相当な距離でした.今ならとても歩けないような道のりを歩き,やっとたどり着いたのが,一軒のバーでした.ここで一休みしました.
店内に,電車の車両をそのまま入れこんだとても大きなバーでしたが,そこで飲んだビールは,本当に美味いビールで,生涯で忘れられないようなものになりました.

もし,あれが,ホテルのバーで同じビールを飲んでいたとしても,多分思い出には残らなかったでしょう.
非日常というものを,強制的でしたが,味わなければいけなかった状況に感謝すべきだと思います.

大学の同窓会を,5年ぶりにやろうという話になっています.
楽笑は,この5年で,引越し3回,職場を変わったのが3回・・・
で,彼らはどうかというと,職場を変わった人は一人もいないのです

やはり楽笑の方が変わり者だと言うことになるのでしょうが・・・

それもこれも美味い酒が飲みたいがためなんだ!

ノンベエの方ならきっとわかっていただけると思います.